リハビリスタッフが入浴介助業務に関わる必要性について…前編‼️

回復期リハビリテーション病棟や介護施設においては、

リハビリスタッフの入浴介助業務への介入場面を目にする事が多いと思います。。

そこで今回は、

デイサービスにおけるリハビリスタッフによる、

入浴介助業務への関わりの必要性についてまとめてみました。。

前編・後編に分けての掲載と致しました。。

 

現在、デイサービスによる入浴サービスの利用を必要とされる疾患の多い順では…
第1位:脳血管疾患(脳梗塞・脳出血・クモ膜下出血)
第2位:骨折(特に脊椎の圧迫骨折)
第3位:慢性関節症疾患(特に変形性関節症)
以上の順となっています。
(厚生労働省の第141回社会保障審議会資料より…)
つまり、デイサービスで入浴をされる方はこれらの疾病の方が多いということになり、そこにリハビリスタッフの介入が必須であることは言うまでもありません。

<参考・引用資料>
回復期リハビリテーション病棟における入浴介助の取り組み
ー病棟環境に応じた入槽方法の検討ー
東 貴之RPT・他(大原記念病院)
第9回介護療養型医療施設全国大会(沖縄)

●脳血管疾患のご利用者の場合
脳血管疾患による片麻痺があるご利用者では、浴室へ入る時の方法や方向(非麻痺側から移動する等)の統一、また安定した「またぎ動作」に関する指導や、お湯の温度の感じ方や程度の評価を行う必要もあります。
麻痺側は滑り易いだけではなく、急に膝の力が抜けるようにバランスを崩す場合も多々あります。そうした危険性を常に想定して、いざという時には自分の膝の上で支えたり、とっさの対応方法の検討や方法の統一を、フロアスタッフに指導する必要もあります。

●人工関節置換術後のご利用者の場合
人工関節の手術を受けられているご利用者の場合には、関節を過度に屈曲してはいけない場合があります。
基本情報の収集とフロアスタッフとの情報共有を実践して、どの動作が禁忌なのかを把握して指導できるのは、リハビリスタッフに求められる専門性です。
人工股関節の手術を受けられているご利用者の場合では、「股関節脱臼」に注意が必要です。股関節を内転内旋したまま過度に屈曲動作を行うと、「股関節脱臼」のリスクが高まります。そのため立位でまたぐ場合には、浴槽の縁を把持して上半身をかがめ、股関節が過度に屈曲しないように介助する必要があります。また状況によっては、座位のままでまたげるような福祉用具を導入する必要もあります。

●圧迫骨折後のご利用者の場合
圧迫骨折後のご利用者では、脊椎への強い衝撃を避ける必要があるため、椅子への座位動作の際に注意が必要です。
急な座位動作は臀部が受ける荷重の衝撃が脊柱へと伝わり、疼痛を生じるだけではなく、場合によっては再骨折を引き起こす危険性もあります。ゆっくりと座位が取れないご利用者の場合は、衝撃を避けられるように支えながら座面に誘導する必要があります。

 

…次週後編に続く。。