リハビリスタッフが入浴介助業務に関わる必要性について…後編‼️

先週に引き続き、

リハビリスタッフが入浴介助業務に関わる必要性について…の後編です。。

 

ご利用者・ご家族及びフロアスタッフにとって、入浴動作の獲得に向けたリハビリが、自立支援やADL・QOLの維持・向上には必要不可欠であり、優先度が高くなることも重要なポイントです。毎日の在宅生活を送るうえで、安全に入浴できるかどうかは大きな問題となります。そのためにも、リハビリスタッフのアプローチで実践できる、評価と介入のポイントを整理しておく必要があります。

<入浴動作の評価についての着眼点>

リハビリにおいて入浴動作を評価する際には、多角的な分析が必要となります。

1) 脱衣所・浴室までの移動は可能か?

2) 滑りやすい床で立位バランスを保持できるか?

3) 椅子から立ち上がる・座る能力は十分か?

4) 浴槽に出入りする能力はあるか?

5) 入浴で用いる道具の使用能力は問題ないか?

6) 体や髪をどの程度洗うことができるか?

7) 衣類の着脱には問題ないか?

8) どのような環境設定であれば動作しやすいか?

どのセルフケアにおいても、様々な視点から動作能力を評価する必要があり、入浴に関しては特に多角的に評価する必要があります。また入浴に関連する工程は多種多様で個別性が高く、その点を丁寧に確認する作業が必要になります。特にご利用者が自宅でも入浴される場合は、その動作が安全に行われご家族にも理解して頂く必要があり、リハビリにおいて評価していくことはさらに重要となります。そうした意味でも、入浴場面を想定した評価と実際の生活環境や状況を理解して確認していくことが大切です。

<基本的な機能訓練での身体機能・身体能力をベースアップする必要性>

リハビリにおいては、基本的な機能訓練の実施も重要です。筋力・関節可動域・立ち上がり・立位や座位の保持といった観点で、必要な身体機能と身体能力を高める必要があります。機能訓練だけではリカバーできないことも多く、代償方法の検討も重要ですが、基本的な機能訓練の効果は、入浴動作のみならず他の生活動作にも応用されます。

<リハビリ場面で行う入浴動作の指導の重要性>

リハビリでは、実際の入浴場面を想定した環境で動作指導を行えることが理想です。安全に入浴するための方法の検討や、実際の環境に近い状況での動作指導を行うことが必要になります。

入浴に関連する動作のなかで、最も注意が必要となるのは浴槽への入槽時のまたぎ動作です。浴室のような滑りやすい環境であれば特に危険が高まり、リハビリスタッフが安全な方法を検討していくことが大切です。例えば、脳血管疾患で片麻痺のあるご利用者が、立位で浴槽をまたぐことを目指す場合、非麻痺側から浴槽に入槽する練習を行います。これは非麻痺側から浴槽に入ることで、お湯の温度を確かめることが可能となり、また足部でのバランスが取り易くなる利点もあります。また、シャワーチェアを浴槽の隣に置いて座り、そこから片足ずつ浴槽に入槽する方法など、状態や状況に応じて動作指導の内容も検討が可能です。

以上のような事項により、リハビリスタッフによる入浴介助への介入は、必要不可欠であると考えます。

ご利用者への自立支援と、在宅生活での生活機能の維持・向上、そしてご家族への介護負担軽減のため、専門性の高い入浴介助への関わりを積極的に実践しましょう。

 

以上、

今週も自立支援と業務改善・人材育成に邁進致します。。

引き続き何卒宜しくお願い致します。。