認知症について…の勉強会を開催しました‼️②

前回に引き続き、

認知症について…の勉強会内容の掲載です。

 

今回は、

後半部分の…認知症の症状・症状別認知症高齢者の対応方法についてです。

 

認知症は…

タイプによって起こる症状は違いますが、

主に「中核症状」と「周辺症状」(近年では…周辺症状を精神・心理症状と行動症状とに分けられます)の2種類に分けられます。

 

中核症状

・記憶障害

・見当識障害

・理解・判断力の低下

・実行機能障害

・言語障害

・認知機能障害

 

周辺症状(精神・心理症状と行動症状)

・妄想

・抑うつ

・興奮

・徘徊

・不眠

・幻覚

・せん妄

・暴力

・介護拒否

・失禁

 

中核症状は、

脳細胞の死滅・脳の機能低下によって起こる直接的な症状です。

周辺症状は、

中核症状が本来の性格や環境に影響することで現れる症状を言います。

これら2つの症状は別々に現れるわけではなく、

中核症状を基礎として…その上で周辺症状が起こります。

例えば…

「財布をどこに置いたかわからなくなる」のは記憶障害で中核症状。

そのことに対して「自分に非はない」「財布は盗られた」というような被害妄想は周辺症状という具合です。

 

認知症の対応には…この症状の区別が非常に重要です。

中核症状は脳の認知機能の衰えなので、

薬で進行を遅らせることはできても完治は困難です。

一方…周辺症状と呼ばれる心理的要因による症状は、

周囲の人が認知症の方の気持ちを理解して安心できる対応をすることで、

軽減できる可能性があるのです。

 

次に、

認知症によくみられる症状と、

正しい対応についてです。

認知症への理解を深めて適切な対応をすることで、

介護者側の負担や不安を軽減させることができます。

 

記憶障害

認知症の基本的な症状です。

記憶障害には3パターンの傾向があります。

1つ目は「最近の出来事を忘れる」こと。

5分前の記憶が無くなったりします。

同じことを何十回も繰り返し話したり聞いたりしますが、

本人は話したことも聞いたことも忘れています。

例えば何度も同じ質問を受けたときは、

「さっきも言ったのに!」などと叱らずに、

根気よく同じことを同じように答えることが大切です。

何度も同じ対応をするのがしんどい場合には、

さりげなく別の質問をするなどして話題を変えましょう。

2つ目に「全体の記憶を忘れる」という傾向があります。

つまり断片的な記憶が抜けるのではなく、

体験そのものを忘れてしまうのです。

例えば…食事では「何を食べたか」を忘れるのではなく、

「食べたことそのもの」を忘れるというようなことが起こります。

食後すぐに「お腹がすいた」と言って食事を求めたり、

出かけた後に「今日はどこにも行ってない!」と言うなどです。

本人が忘れている記憶に対して、

正しいことを無理に伝えてもなかなか納得してはくれません。

「そうですねー」と返事をしたり、

場所を変える・テレビをつけるなど気をそらせることが効果的です。

3つ目に「記憶が現在から過去に遡ってしまい過去の記憶の中で生きている」という場合があります。

認知症の人が今見ている時代はいつなのか、

どんな世界で生きているのかを理解して、

受け入れることが大切です。

そのためにも会話の中でいろいろな質問をして、

どのくらい昔の記憶で話しているのか探ってみましょう。

 

徘徊

徘徊症状は命の危険をもたらすこともあります。

しかし外に出られないよう四六時中室内に閉じ込めるわけにはいきません。

できるだけ目の届くようにそばにいるようにしていても、

ふいに目を離した隙に外出してしまう場合があります。

もしもの場合に備え、

本人の衣服や靴に本人にばれないように、

小さめに名前や住所を書いておきましょう。

可能であれば地域の周辺住民に、

徘徊の可能性があることを伝えておきましょう。

 

被害妄想

認知症の初期段階に現れる最も多い症状の1つ「もの取られ妄想」。

財布や通帳など貴重品の収納場所を忘れてしまい、

「盗まれた」と妄想してしまう症状です。

認知症の被害妄想は身の回りにいる人に向けられることが多く、

訪問スタッフや身の回りの世話をしている人が疑われることがよくあります。

対処法としては、

もし場所がわからなかったとしても、

「一通り時間をかけて一緒に探す」のがベストです。

そして最後に「誘導して本人に見つけさせる」とよいでしょう。

直ぐにこちらが見付けてしまうと、

場所を知っていたと勘違いされてより疑われてしまうからです。

探す際は「盗まれた」「なくした」という言葉は使わずに、

「どこにしまったのかな」「このタンスの中はー?」と誘導しましょう。

 

不眠

高齢者は寝つきが悪く眠りが浅くなりがちです。

加えて認知症になると周囲の環境変化に敏感になり不眠をもたらす場合があります。

昼寝をしすぎて夜に眠れなくなったり、

昼と夜の区別がつかなくなったりします。

介護者は夜中に起こされたり動き回るので、

目が離せなくなるため睡眠不足に悩まされるという負のスパイラルに突入します。

そんな状況では介護者にストレスが溜まり、

体調不良やうつになってしまうこともあるでしょう。

そうならないために認知症の人には日中によく活動させ、

夜にしっかり眠れるような生活リズムを作ってあげることが大切です。

午前中に日光浴や軽い運動やレクを行うなど、

眠ってしまわないような工夫をしましょう。

 

幻覚

認知症の症状に幻覚や幻聴があります。

「部屋の外に誰かいる」といった幻覚症状は、

認知症によくみられる症状です。

その際に否定をしてしまうと、

認知症の方はより強い不安感抱きますので、

絶対に否定をしてはいけません

「さっき○○が通っていたからだよ」というような対応をしましょう。

虫やお化けが見える場合は「私がやっつけるね」と退治してあげます。

「もういなくなったよ、大丈夫だよ」と安心感を与えてあげると、

幻覚症状が落ち着く傾向になります。

 

以上…

認知症の種類や症状・適切な対応方法をご紹介しました。

認知症介護に大切なのは、

症状や特性について理解しようとすることです。

そして認知症の方の気持ちを常に考えながら、

コミュニケーションをとることを心掛けてください。

症状を理解し適切な対応をすることで、

負担や不安を減らしていきましょう。

来月も…

自立支援・業務改善・人材育成に邁進致します。